Re:_1-8_りんっ

> 交通事故にあった。
> 突然だった。
> 学校の帰り道、
> 曲がり角。
>
> よそ見運転だった。
>
> 幸い命に別状はなく、
> 両足の骨折ですんだ。
>
> 外に出るのが怖くなった。
> また車がぶつかってきたらと思うと、
> 身体が震えた。
>
> 同時に二本の脚の骨なんて折ったこともなく、
> 歩くのも不安になった。
>
> リハビリが始まった。
>
> 痛かった。
> 事故の時の痛み、恐怖とはまた違った、
> 慢性的な痛み、心の傷。
>
> (なんで、私が。)
>
> 転んだ拍子に思わずそう思ってしまった。
>
> お見舞いに来てくれる家族も友達もいる。
> ぶつかった相手も、
> 逃げずに詫びてくれている。
>
> 命だって助かった。
> 足だって治る。
>
> よかったじゃないか。
> これ以上ない奇跡だ。
>
> そんなことはわかっていても、
> 弱音と愚痴が口から溢れてしまいそうだ。
>
> そんな時、
> 同じリハビリルームで、
> 義足の同い年くらいの女の子と一緒になった。
>
> その子も何度も転んでいた。
> それでも、何度も立ち上がっては歩きだす。
>
> (すごい。)
>
> 転んだって前を向いているのが。
> 私にはない強さを見た瞬間だった。
>
> ずっと見ていたからか、
> その子とふいに目があって、
> 「頑張ろう!」と声をかけられた。
>
> そうだ、
> 頑張ろう。
>
> 私は、何も失ってなどなかったのだから。
>
> 彼女だって、
> 失ってなどないのだ。
>
> あんな凛とした強さを、
> 私は持っているのだろうか?

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